「産業構造審議会割賦販売分科会基本問題小委員会 中間整理」に対する意見

2007.07.30

平成19年7月30日

経済産業省商務情報政策局

商務流通グループ取引信用課 御中

沖縄県司法書士会

 会 長 仲村 弘

「産業構造審議会割賦販売分科会基本小委員会 中間整理」に対する意見

 

2007年6月27日に公示された産業構造審議会割賦販売分科会基本問題小委員会の中間整理に対して、当会は、割賦販売法の抜本的改正に向けて以下の通り意見を提出する。

 

第1 はじめに

県民所得は、全国最下位、失業率は全国一位等と産業基盤が脆弱な県経済の問題が指摘できるように、沖縄県において多重債務問題はきわめて重要な社会問題となっている。

沖縄県司法書士会の平成18年自己破産調査報告によると破産者の約半数がクレジット契約を利用しており、消費者の支払能力を超えたクレジット事業者による過剰与信が多重債務の一因になっていることが容易に判明する。また、沖縄県県民生活センターに寄せられる消費に関する苦情・問い合わせは年々増加しており、平成17年度には1万1000件を突破したとの報告がある。相談の内容は家庭教師付きの教材や高額な布団などの悪質な訪問販売、マルチ商法によるイオン製水機や健康食品などと多様化しており、そのほとんどが、クレジット取引を利用したものである。

 

第2 意見の趣旨

  1. 平成19年6月27日に公示された産業構造審議会割賦販売分科会基本問題小委員会の中間整理に対して、当会において日本司法書士連合会提出の意見書を支持するものであるが、特に消費者保護の立場から、以下の点を強調付言する。
  2. クレジット事業者に、既払金の返還も含めた販売店との無過失共同責任を法的に定めることはとても重要であること。これによって、クレジット事業者が消費者に対して行う与信も自主的に厳正な審査とならざるを得ず、過剰与信の防止に確実に資することは明白である。判例の立場に立てば、売買契約が無効、取消、解除等によって消滅した場合、消費者は販売業者に対して売買代金相当額の不当利得返還請求を行うことは可能であるが、販売店が倒産していたり、連絡が取れないという状況下においては、販売店に既払金を返還させることは事実上不可能に近い。また、消費者が販売業者に対して、抗弁の事由を有していたとしても、その発見が遅れた場合には、既払い金が多額になって、消費者の保護として充分ではない。実際には、販売店がクーリングオフ、無効、取消の主張を認めないことも多く、クレジット事業者も販売店が認めない以上、抗弁の接続を認めないのが通常である。
     そうすると、最終的には司法の立場で主張していく外はないが、勝訴して判決を得たとしても、販売店に資力がなければ、消費者にとって全く意味がないものとなってしまう。そこで、既払金の返還をクレジット事業者に求めるのが被害回復の有効手段となる。消費者は、クレジット事業者と販売店との間の内部事情を知ることは極めて困難であることから、クレジット事業者の故意・過失の証明を要求せず、クレジット事業者は、既払金の返還につき無過失共同の責任を負う旨の規定を設けるべきである。
  3. また、割賦手数料に関して、何ら上記規制が無いことは問題である。商品代金以上の割賦手数料を支払う契約もみられ、早急に割賦手数料に関しての適正な上記規制を設けるべきである。また、取立行為に関しても貸金業規制法と同様に、厳格な規制を設けるべきであり、審議事項として検討すべきである。
  4. 過剰与信以前の問題として、現代のカード社会において、消費者が販売店から商品を購入する際、商品の値引きや各種ポイント等の特典機能が付くとの勧誘により、販売店のカードの作成を促されるケースが多くなっている。しかし、販売店のカード作成にあたって販売店が、クレジット事業者とのクレジット機能付きのカードであることを明示しないため、特に若年層がそれを知らないままクレジット機能付のカードを取得してしまい、多重債務に陥る例が後を絶たない。
     したがって、販売店のカード勧誘に当たって、クレジット事業者とのクレジット機能付きのカードであることを明示させる義務を定めるべきである。
     また、どこのクレジット事業者のクレジットカードであるのか、内容の分からないままカードを保有している消費者が多いことは問題であり、カードの裏面に販売店及びクレジット事業者の地位を明確に記載させる法的義務を設けるべきであり、審議事項として検討すべきである。

以上