米軍普天間飛行場移設問題についての会長声明

2010.06.01

米軍普天間飛行場移設問題についての会長声明

2010年6月1日

沖縄県司法書士会

会長 崎間 敏

 

本年5月28日、日米両政府から発表された米軍普天間飛行場移設に関する共同声明について、沖縄県司法書士会は、県民の権利擁護と公正な社会の実現を目指す者として以下のとおり声明を発する。

普天間飛行場を5~8年以内に全面返還するとの日米合意から既に14年が経過している。返還合意は、米兵による少女暴行事件に抗議する県民大会に参集した85,000人余の声に押され、もっとも危険とされる普天間飛行場の返還要求に応えたものであった。

そうした中で沖縄国際大学への大型ヘリ墜落事故が発生する。返還合意から8年目である。墜落直後、普天間飛行場のフェンスを数十人の米兵が乗り越えて大学内に押し寄せ、学生・教職員を強制的に排除して現場を封鎖・占拠した。民間地区それも学校施設内での米兵の行動には、被害者である同盟国の住民に対するいたわりは微塵も感じられず、復帰前の占領意識そのものである。

このような重大事故にもかかわらず事故の責任問題については議論されていない。日米両政府の最高責任者はおろか現場担当者レベルにおいてさえ、返還予定の基地での事故に対して相応の責任をとった者がいない。普天間飛行場問題を針路なき迷走に陥らせている原因は、責任の所在の曖昧さゆえの、事故の再発防止と問題解決への断固たる意志の欠如である。日米両政府は、この問題を真摯に解決する意思があるなら、再び事故が起こった場合、誰がその責任をとるのかを明言すべきである。

一方、米軍基地は日米安保維持のために必要であるとの論理から、マイナス面だけでなく、振興策や雇用など基地のプラス面にも言及すべきとの指摘がある。しかし、沖縄の米軍基地は、経済的思恵と引き換えに誘致されたものではない。基地関連予算は、強制接収されて建設された基地がその後も容易に撤去されない状況と安保体制という国益を考え、応分をはるかに超える過重な負担を引き受けざるを得ない中での現実的要求の結果である。

県外移設を公約に掲げて政権交代した日本政府は、公約を破棄した挙げ句、反対する閣僚を罷免までして県内移設を決定した。しかし、沖縄県民の失望と怒りは頂点に達していることを政府だけでなく国民全体が認識すべきである。

戦後65年が経過した。沖縄は悲惨な地上戦を体験したばかりか、外国の軍隊が半世紀以上も駐留を続けている。このうえ、自然を破壊する新たな基地まで建設して今後もさらに居すわり続ける異常事態は、いかなる理由も正当性を持ち得ない。

ここに、沖縄県司法書士会は、日米両政府に対し、普天間飛行場を即時閉鎖し、県内に移設することなく全面返還するよう求めるものである。