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公営住宅の保証不要を求める会長声明

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇令和2年9月17日

 

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇公営住宅の入居保証の廃止を求める声明

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇沖縄県司法書士会

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇会長 中村 敦

 

公営住宅は、「住宅セーフティーネット」の中核として位置付けられているものである。

公営住宅法第1条は、「この法律は、国及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生

活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低所得者に対して低廉な家賃で賃

貸し、又は転貸することにより、国民生活の安全と社会福祉の増進に寄与することを目的

とする。」と規定している。公営住宅は、民間賃貸住宅への入居が困難とされる方々が入

居できるようにするという役割を担っている。

ところで、公営住宅への入居に際して、公営住宅法では保証人について規定はないが、

現在、公営住宅への入居にあたり保証人を求める自治体が多いことから、保証人の確保が

困難な入居希望者にとって「住宅セーフティーネット」としての役割を果たせていないと

いう現状がある。総務省の調査によると、2015(平成27)年度に、保証人を確保で

きないことによる入居辞退件数を把握している自治体において65件の入居辞退が生じて

いる。これは件数を把握している自治体の数字であり、件数の把握が出来ていない自治体

があること、保証人確保の見通しが立たず最初から入居をあきらめる事例もあると考えら

れることから、実際の件数は相当数あるものと予想される。

このような状況を踏まえ、総務省は、国土交通省に対し、2018(平成30)年1月

23日付け「公営住宅の供給等に関する行政評価・監視結果に基づく勧告」において、公

営住宅への入居希望者の円滑な促進を図る観点から、保証人の確保が困難な者に対する支

援を充実させるため、都道府県等における保証人の確保に関する実態を的確に把握すると

ともに、都道府県等に対し特例措置や法人保証に関する必要な情報提供等を行う必要があ

る旨勧告している。そして、国土交通省はこの勧告を踏まえ、2018(平成30)年3

月30日、「公営住宅管理標準例改正内容(連帯保証関係)」を発し、保証人に関する従来

の規定を削除した。また、国土交通省は上記同日、「公営住宅への入居に際しての取扱い

について」において、近年身寄りのない単身高齢者が増加していることなどを踏まえると、

今後、公営住宅への入居に際し、保証人を確保することがより一層困難となることが懸念さ

れるとしている。そして、住宅に困窮する低所得者への住宅供給という公営住宅としての目

的を踏まえると、保証人を確保できないために公営住宅に入居できないといった事態が生じ

ないようにしていくことが必要であり、保証人の確保を公営住宅への入居に際しての前提と

することから転換すべきであるとの考えを示している。

このような、国土交通省の方針を受け、全国各地で公営住宅の保証に関する条項を削除す

る条例改正の動きが広がっており、2020(令和2)年8月26日現在で、16都道府県、

41市町村おいて公営住宅への入居に際しての保証人の廃止または廃止に向け準備を進めて

いる。沖縄県内においては、伊是名村が保証人の廃止を、与那原町が議会で保証人廃止の陳

情を採択している。

貧困問題が最も深刻な沖縄県においては、貧困対策の最も根幹部分である住居の確保を促

進する必要がある。国土交通省は、「公営住宅への入居時において、緊急時に連絡が取れる

よう勤務先、親戚や知人の住所等緊急連絡先を提出することが望ましいと考えられますが、

緊急時の連絡先が確保できない場合にも入居の支障にならないよう、地域の実情等を総合的

に勘案して、適切な対応をお願いします。」としている。公営住宅がより一層「住宅セーフ

ティーネット」としての役割を果たすことが出来るよう沖縄県及び県内市町村においても国

土交通省が示した方針に沿って、公営住宅への入居に際しての保証人確保を廃止とすべきで

ある。

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